「…あの、…。」

「…大丈夫よ、藤真は。
きっと、夢ちゃんの事、大切にするわ。
だから、…何かあるなら、いつでも打ち明けてみたら?」

「…。」

「こーんな可愛い子が息子の彼女だなんて、嬉しいわ。
これからよろしくね。夢ちゃん。」



やっぱり、藤真君のお母さんに、言えない。


…彼の好きな人は、あたしなんかじゃない、なんて。


嘘の彼女なのに、こんなに喜んでくれてるんだから。


なにも言えず、ただ小さく笑った。