「…あたし、…藤真君を頼ったりしたら迷惑なんじゃないかって、」



優しい口調の、藤真君のお母さんに、


思わず本音が出そうになる。


思わず、今のあたしの状況を、助けてくれと言ってしまいそうになる。


「…夢ちゃんって、」

「…。」

「案外鈍感なのね。」

「…え?」

「…ふふっ。」

「あの…?」

「あ、ううん。なんでもないわ。」


なんだか、楽しそうに笑う藤真君のお母さんに、

クエスチョンマークが浮かんでいた。