親睦を深めて行くうちに、俺はますます凛に惹かれていった。

凛は、父親と違って傲慢で威圧的なんかじゃなかった。
あんな父親の娘だから、どんなに威張ってるものかと思ってたけど、そうじゃない。

おしとやかで繊細で、優しい心の持ち主だ。
ちょっと内向的だけど、それは理由を聞いて納得した。

あの成り上がった父親の勝手のせいで、中学校で浮いてしまって、心を閉ざしたんだ。

新たな高校生活にも不安を感じている。
心から凛を守ろうと誓った。

俺が彼女に惹かれるように、彼女も俺に惹かれてくれた。

嬉しいことに両思いになった俺達は、春休みの終わり頃、お互いの気持ちを確かめあって、こっそり付き合うことになった。
バレたら離される。

こんなこと知ったら、あの傲慢男が怒り狂うだろうな。