気がつくと、私は、追手に追われていた。

「ザザザ。…。(焦)」
完全に気配を消しつつも、その場かぎりの緊張感が走っていたのだ。
なんとか追手を巻いた私は、古びた空家に身を潜めることにした。

窓越しに聞こえる人の声など気にも留めず、足元に落ちていたメモ帳に視線を落とした。

そこに記された記号図が何を意味するのか…?
この時の私には、想像もつかなかった。そんなことを考えながら‥私は一夜を過ごした。