意味のわかんない頭痛と、いっしょに起きる。
それは、思い出せない夢の内容よりも、ずっと
それは、思い出したくない現状よりも、きっと
タチが悪い。
私は、もう一度ぎゅっと目を閉じる。
まるで、何かが通りすぎるのをひたすら祈るように
かつて、何かが変わりゆくのをただただ祈ったように
頭の内部に、なにか重大な異常でもはらんでいるという不安。
脳の内部に、なにか重篤な病状でもあるのではという不安。
脳が頭蓋骨から逃げ出したがっているのか、
割れるようにではなく、
はじけるように痛い。
抑えるように、頭を押さえる。
掲げるように、頭を抱える。
ーーーーーー?
ぬっちょりと、
ねっちょりと、
なんとも形容しがたい感触が返ってきた。
寝ている間にボンドか、セメダインでも塗られた。
そう考えると合点がいくような手触りだった。
いぶかしさとともに、強く閉じていたまぶたをこじ開ける。
合わない焦点、ハッキリとしない視界の中で、
私の両の手は、それでも
明確に、明瞭に、明解に、
鮮明に、簡明に、
めいめいに、
赤黒かった。