「あなたがゆづくんの何を知ってるって言うの?」

「そ、それは……っ」


「それともう一つ。ゆづくんは絶対にわたしから離れることはできないの」


さらに衝撃的なことを告げられる。


「昔ね、まだ小さかった頃。わたし大やけどしたの」


そう言いながら、ブラウスに隠された左腕のやけどの傷を見せてきた。

……正直、目を当てるのがつらいと思うほど…。それくらいひどく跡が残っていた。


「ゆづくんの不注意だった。熱いお湯の入ったポットを運んでくる時に運悪くわたしの腕にかかったの」


すぐに病院に行くはずだったのに、その時、どちらの両親も家にいなくて、まだ小さかった天ヶ瀬くんはどうしたらいいかわからず


泣きわめく唯乃さんを置いて、逃げ出してしまったそう……。


それから唯乃さんのご両親がかけつけたけど、治療が遅かったこともあって、傷は完全には消えなかった。