「き、きゃ…」

「ほ、保健室!行こう」

慌てて悠は馨の手をとり、走り出した。

何、何、何………?!
どうしちゃったの?!
なんで血が…






ガチャ

「先生!馨が!」

「百合さんっ!どうしたの?とりあえず、病院ね。桜木さん、あなたは教室に戻ってなさい。」


普段優しい口調の保健の先生は、なぜか今、厳しい口調になった事を察した悠は頷いて保健室を出ていった。

「先生、か、馨…」

「大丈夫よ、百合さん。」

優しい口調に戻っていた。
だけど表情は普段の穏やかな表情ではなかった。
何か、悟っているように。