な「うわ。もうこんな時間。明日も学校だし、帰んねぇと。」
「そうだね。ももは?」
も「親が帰ってこいって。だから帰るね。色々ありがと!」
「全然いいよ!また泊まりに来てよ!」
も「ありがと!」
も・な「「ありがと!お邪魔しました!」」
「うん!また明日ね!」
2人は手を繋いで帰って行った。
「きこ。食器洗う?」
「うん。洗う。」
「じゃあ、俺拭く。」
「洗濯物は?」
「服の畳み方わかねぇんだもん。」
「先、畳み方教えるから。」
服の畳み方を教えて、れおが畳んでいるあいだに、食器を片付けた。
「きこ。俺、ゆうのこと一生許さねぇから。」
「どうしたの?急に。」
「急じゃねぇよ。きこが森に置き去りにされて、何日も見つからなかっただろ?そん時からあいつのこと許さねぇって決めたんだよ。」
「私も許したわけじゃないけど、理由があったんだと思うよ。」
「あんなやつのこと庇うなよ。許せねぇんだろ。」
中学2年の冬。
ゆ「なぁ、3人で森に星空見に行かねぇ?」
れ「ごめん。俺、バレーの練習だわ。」
ゆ「そっか。きこは?」
「なんにもないからいいよ!」
私とゆうは星空を見るために森に入っていった。始めは、ちゃんとした道を歩いていた。でも、途中から道じゃなくて、すごい太い木とか枯葉ばっかりの所にいた。
「ゆう。ほんとにあってるの?」
後ろを見たけど、ゆうはいなかった。
スマホを持っていたから、開いたけど圏外で繋がらない。
ゆうのことを呼んでも、何も反応がない。
ガサガサ
「ゆう?」
出て来たのは蛇だった。
「キャー!」
私は走って蛇から逃げていた。
走っていた時、足を滑らせて転けた。
その頃にはもう真っ暗で、すごく寒かった。
戻ろうと思ったけど、ここがどこなのか分からない。
辺りを見渡したら、小屋の様な所を見つけて、歩いていた。
歩いていると、違和感があった。
膝が変な方向に曲がっていた。
痛みは全くなくて、普通に歩けていた。
その小屋の中にはボロボロの毛布などが置いてあった。
その夜はその毛布を被って、一夜を過ごした。
辺りが明るくなり始めた頃、連絡しなきゃと思い、ポケットを見た。
「ない。うそ。落とした?」
多分滑った時に落とした。
歩いて戻ろうと思ったけど、変な方向に曲がった膝が痛くて動けなかった。
食料も水もない。このまま誰も探しに来なかったら、死ぬんだろうなと思いながら、ぼーっとしていた。
その頃、ゆうとれおは
「きこー!」
「きこ!どこだよ!」
私を探しに森にいた。
「お前、なんできこのこと置いてったんだよ!お前が、ちゃんと見てたら、こんなことにならずに済んだのに!」
「ごめん。空に目を奪われてたんだよ。それで、前見たらきこがいなくなってた。」
「いなくなってたって。なぁ。これ、きこのスマホじゃね?」
「きこのだ。」
そこは、蛇が出てきて追いかけられた所の近くだった。
「きこー!」
その日、1日探してくれたらしいけど私は見つからなかった。
その後、私とれおとゆうの3家族で探してくれたらしいけど、見つからなかった。
その日のうちに、警察にも届けを出して翌日から捜索が始まったらしい。
その時点で、3日が経っていた。