も「そんなこと考えたことないって言ったけど、今まで好きな人出来たことあるの?」
「...ない。」
も「なんで?」
「誰も好きにならなかったから。」
も「誰も好きにならなかったのって、いつもれおくんと比べてたからじゃないの?」
「!そうかも。」
も「比べてる時点で自分の気持ちに気づきなよ。」
「自分の気持ち?」
も「きこは考えたことないかもしれないけど、れおくんのことが好きってこと。」
「これって、好きって気持ちなの?」
も「れおくんが入院してる時、いろんな女の子と居たでしょ?その時、嫌だなとか思わなかったの?」
「思った!なんか、私はいなくてもいいんだって。」
も「それ、嫉妬。きこって人のことについては敏感なのに自分のことになると鈍感だよね。」
「れおになんて返事すればいいの?」
も「好きって気持ち素直に伝えればいいんじゃない?」
「そうだよね。今日の帰り返事する。」
も「頑張って!」
な「れお。どうした?死んでっぞ。」
「あー。なおか。」
な「なんかあったか?きこちゃんと」
「なっ。別に。」
な「告ったのか。」
「!あー。そーだよ。」
な「まじか。んで返事は?」
「俺のことそんなふうに見てなかったから時間がほしいって。絶対フラれる。」
な「それはねぇだろ。きこちゃんって、ちょー鈍感じゃん。だから自分の気持ちに気づいてねぇだけだよ。」
「それならいいんだけど。」
な「ははっ。お前ら面白すぎ。これ見てみ。」
なおにスマホを渡された。そこには
『今、きこにれおくんのこと相談された。自分のことには鈍感すぎてやばい。』
『自分の気持ちに気づいたみたいだよ。これでダブルデートできるね♡』
「自分の気持ちに気づいたって。ふられる。」
な「お前なぁ。最後まで見ろよ。ここにダブル...まぁいいや。れおもネガティブになるんだな。」
「なるよ。はぁー。」
部活になった。
いつも通り。いつも通り。
「れ、れお。これ、お願い。」
れ「ん。」
そのまま私はももの所に走って行ってしまった。
「ももー!」
も「なに?」
「めっちゃ緊張した。」
も「返事した訳でもないのに?」
「でも、なんかいつもより暗かった。返事も素っ気なかったし。」
も「あー。ほっとけば大丈夫!」
「ほんと?」
も「うん!」
部活も終わって、4人で帰っていた。
最寄り駅について、ももとなおと別れた。
「れお。話したいことがあるから、れおの部屋行ってもいい?」
れ「あぁ。」
れおの部屋に入った。
「あの、昨日の返事なんだけど...。」
れ「あぁ。」
「れお!ちゃんと顔みて!」
れ「!なんだよ。」
「私もれおのことが好きなの!全然気づかなかったんだけど、ももと話しててれおが好きなんだって気づいたの!」
れ「えっ。」