「友梨奈〜今年こそあげれば?」
騒がしい教室の角で若菜が聞く
私は机に突っ伏した
「うーん……どうしようかなぁ」
呆れたように若菜が言う
「だって今年で卒業だよ?輝星くん東京の大学きまってるじゃん今年しかあげられるチャンスないよ?」
はぁ〜っと大きなため息をつくと友梨奈は言った
「だからこそだよ」
若菜は首を傾げる
「せっかく決心したのに、邪魔したくない」
若菜は席を立ち、教室を出て行った
「あぁ〜どうしよう」
そのつぶやきは、教室の中に消えていった