24歳から29歳までの5年間、私の隣にはシンちゃんがいた。

 寝坊が原因で仕事をクビになったことがあるくせに、パチンコ屋には開店と同時に駆け込む気合いの入れようだった。

 勝てば機嫌が良く、負ければわかりやすいくらいに不機嫌になる子供みたいな人。

 どういう家庭環境で育ったかは詳しく知らない。
 本人があまり話したがらないこともあったし、実際私たちが一緒にいた5年の間にシンちゃんの家族に会ったことは一度もない。

 同い年だったから見た目は年相応に大人の男ではあったけれど、独りぼっちがとにかく嫌いな人で、眠るときは私が腕枕する側だった。