色違いやデザイン違いのネックレス、ブレスレット、ピアス、合計30点の注文を受けた。
「急いでいませんので」と言われたものの、生真面目な性格上、焦りが生じてしまう。

 連日のようにアクセサリー作りに追われる私の隣ではシンちゃんがゲームキャラクターをせっせと操作している。

「シンちゃん、音もう少し小さくして」

 銃声が頭にガンガン響き、気が散って仕方がない。
 しばらくすると、おもむろにシンちゃんが立ち上がり「ちょっと出掛けてくるね」とニット帽を手に取った。

「パチンコ?」

 へへっと悪戯っ子のように目を細めたシンちゃんは「稼いでくるよ」と私のおでこに軽く口付けて部屋を出て行った。