真夜中に眠りからふと目覚めた私は、気持ちよさそうに寝息をたてるシンちゃんをぼんやりと見つめていた。

 長いまつ毛が羨ましく、肌だって瑞々しい果実のよう。

 初めてシンちゃんに出会ったとき、私には彼氏がいた。
 彼氏の友達という立ち位置だったシンちゃんに気持ちを持っていかれたのは割とすぐの頃だったと思う。

 ちょっと神経質で怒りっぽかった彼氏と違い、朗らかで、あっけらかんとしているシンちゃんを見て「この人が彼氏だったら」と邪な感情を抱くようになった。

 仲間内で何度かカラオケに行ったり、飲みに行くうちに「また会いたい」そんな思いが募り始めていた。
 何とか接点を持つことができないか。
 頭を巡らせていた矢先、彼氏の浮気が発覚した。