自分のために使うお金はどこにもない。生活のためだけにひたすら働き続け、睡眠時間を犠牲にしても、お金を得ることを優先させた。

 シンちゃんは相変わらずだった。

 約束は破るためにある、とでも思っていたのだろうか。どれだけ約束しても、あっさりと反故にされていた。
 パチンコ好きだからとパチンコ屋で働き始めたものの、ハードな肉体労働は1ヶ月も続かなかった。

 その後は食品工場のライン作業を見つけてきたけれど、それも2週間で辞めてしまった。
 理由は朝が早くて起きられないから、という呆れる理由だった。

 他にも何かの仕事に就いていたが、何の仕事だったかは覚えていない。

 とにかく、どんな仕事に就いても続かない。
 かといって、家事を積極的にしてくれるかと言えば、それはしない。

 本当に飼い犬と同じ。
 飼い犬はパチンコもゲームもしないから、犬の方がましだと思えるほどだった。