あの日、すべてが変わった運命の日。

僕が掴んだナニカはあの後、光となって消えていった。


次に僕が目を覚ましたのは、いつもの教室で、だった。
淡々と続けられる授業に、夢を見ていたのか、と思った。
誰も何も気にしていない。
不思議な感覚だった。
けれど、夢なら夢でそれでいい。
あんな気味の悪い夢、二度とゴメンだ。
そう思ったが少し気にかかることがあった。
教卓の奥で黒板に字を書きながらこちらに語りかけてくる先生。

先生が話していた事はずっと前に勉強したことと全く同じだった。
ふと教室内に飾ってある電子時計に目を向ける。

『5月4日(水) 14:39:47』

秒針は当然動き続けている。
特に気になることもない。
夢の中の日時と全く同じ。
やっぱりあれはただの夢だった。

あんな事が本当に起こると思うと背筋に嫌な汗が流れた。
背中が冷たい。
僕は慌てて首を振る。


『アレ』はただの夢なんだ。
気にする事はない、じきに忘れる、下手に感情移入するのはやめよう…


授業の内容をどこかで聞いたことがあるのも、予習でもしたところだったんだろう。
それか寝ていたから気づかなかったかもしれないけど、今は復習の時間なのかもしれない。

それから僕はたいして授業に興味を示さず、窓越しに外の景色を見渡した。
















...何か引っかかるな






僕はそこでも違和感を覚えた。