「……どうしてこの場所が……分かったの?」

美玲さんが震える声でそう呟いた。

「悠斗にすべてを聞いたんだ。あの映像も流れはしない」

私の身体を解放した聖さんが私を隠すように私の前へと立って美玲さんと対峙した。

「裏切られたのね。悠斗お兄様だけは私を見捨てないと思っていたのに」

「悠斗は裏切ったんじゃない。壊れていく美玲を救いたかったんだ。だから全てを俺に話してきたんだ。美玲の暴走を止めてくれ、と。美玲、俺も美玲に話したいことがある。俺の話を聞いてくれるか?」

「今更、何を聞けと言うの? 聖お兄様は私を見捨てて家を出て行ったくせに!」

「美玲……?」

「お母様も死んで居なくなって、聖お兄様も私の前から居なくなった。そしてまた悠斗お兄様も最後は私のもとをこうやって離れていく。お父様に関しては女に生まれた私にはまるで興味がない。私は東條家の誰からも愛されていないのよ!」

美玲さんの悲痛な心の声を聞いて胸が苦しくなった。