美玲さんとふたりきりになり、シーンと静まり返ったその場。
「もうじきパーティーが始まりますね。さっきから紗凪さんの携帯に聖お兄様から何度も電話が来てたので電源を切っておきました。今頃、聖お兄様は紗凪さんを探し回っているかもしれないですね。紗凪さん、これは聖お兄様を守るためなのでお許しくださいね?」
先にその沈黙を破ったのは、私の目の前のソファーに腰を下ろして真っ直ぐに私を見つめる美玲さんだった。
「どうしてこんな事を?」
恐る恐るそう聞き返した私に美玲さんの冷酷な笑みが返ってきた。
「ふたりの結婚が政略結婚だと悠斗お兄様に聞いて紗凪さんの事ことが許せなくなったんです。だって大好きな聖お兄様があなたのような私欲のために近づいてきた女と結婚しても幸せになれるはずがない。だからぶち壊したくなって今日この計画を実行することにしました」
「計画……?」
「まずは紗凪さんを隔離してパーティーをドタキャンさせて、父がいるホテル内の別部屋に紗凪さんの名前で手紙を出しておきました。“やはり格式高い東條家の嫁としてやっていく自信がありません。申し訳ありません”そんな内容で」
「……そんな」
「まぁ、それだけじゃ弱いのでパーティーの最中にもう1つ仕掛けを施しておきました」
そう言って私に向かって自分の携帯の画面を向けた美玲さん。
「……っ⁉︎」
美玲さんが私に向かって見せたのは、あるひとつの動画。その始まりはーー
“ご来場の皆様へお伝えしたいことがあります。これが東條聖の妻にしがみつく冴草紗凪の正体です”
そんな文面から始まっていた。そしてそれに続き流れてきたのは京極さんが私を抱きしめる様子を映した……そう、それはーー。
「もうじきパーティーが始まりますね。さっきから紗凪さんの携帯に聖お兄様から何度も電話が来てたので電源を切っておきました。今頃、聖お兄様は紗凪さんを探し回っているかもしれないですね。紗凪さん、これは聖お兄様を守るためなのでお許しくださいね?」
先にその沈黙を破ったのは、私の目の前のソファーに腰を下ろして真っ直ぐに私を見つめる美玲さんだった。
「どうしてこんな事を?」
恐る恐るそう聞き返した私に美玲さんの冷酷な笑みが返ってきた。
「ふたりの結婚が政略結婚だと悠斗お兄様に聞いて紗凪さんの事ことが許せなくなったんです。だって大好きな聖お兄様があなたのような私欲のために近づいてきた女と結婚しても幸せになれるはずがない。だからぶち壊したくなって今日この計画を実行することにしました」
「計画……?」
「まずは紗凪さんを隔離してパーティーをドタキャンさせて、父がいるホテル内の別部屋に紗凪さんの名前で手紙を出しておきました。“やはり格式高い東條家の嫁としてやっていく自信がありません。申し訳ありません”そんな内容で」
「……そんな」
「まぁ、それだけじゃ弱いのでパーティーの最中にもう1つ仕掛けを施しておきました」
そう言って私に向かって自分の携帯の画面を向けた美玲さん。
「……っ⁉︎」
美玲さんが私に向かって見せたのは、あるひとつの動画。その始まりはーー
“ご来場の皆様へお伝えしたいことがあります。これが東條聖の妻にしがみつく冴草紗凪の正体です”
そんな文面から始まっていた。そしてそれに続き流れてきたのは京極さんが私を抱きしめる様子を映した……そう、それはーー。