「紗凪、明日は何か用事があったりするか？」

「明日ですか？　いや、特にはないですけど」

「なら良かった。明日、一緒に出掛けたいところがあるんだ」

夕食を食べ終え、後片付けを一緒にしている最中に聖さんがそんなことを言い出した。明日は久々にふたり揃って休みだったりする。

「出掛けたいところ？　どこですか？」

「それは明日の楽しみにしておいてくれ」

聖さんが優しく笑って私の頰を撫でた。

そして迎えた翌日。聖さんが運転する車で一緒にマンションを出た。

「今日は一段と冷え込むな」

「そうですね、雪でも降ってきそうですね」

すっかりクリスマスのイルミネーションに彩られた街中を聖さんと並んで歩いていく。スッと私の右腕に伸びた聖さんの左腕。そして私の腕に絡ませて微笑む。

「この方が暖かいだろう？」

「はい……」

聖さんの優しさと温もりに自然と頰緩んでいくのが分かる。