痛む体を起こして、泣いている幼馴染に私は

｢何で泣いてるの？｣

そう聞いた 。

｢お前が、もう目覚まさないかと思ったんだよ｣

そう答えてくれたのは、幼馴染の仁 。

仁の返事を私は理解が出来ずに、

｢何が？えっ？何があったんだっけ｣

そうやって、仁の隣に立っている蒼の腕を掴んで 困惑しながら何度も

｢ねえ、何のこと？奏叶は？｣

と、いつもなら居るはずのもう1人の幼馴染で私の彼氏の奏叶の姿を探し、ねぇ、ねぇ、と何度も聞いていた。

｢ごめんな、本当にごめん｣

静かに泣いていた蒼がやっと言った言葉
今でも覚えてる。
震える手と声 。 溢れている涙 。

2人は泣き崩れて 、 訳も分からずに私はただずっと

｢答えてよ！奏叶は、なんでいないの？！｣

そう叫んだ。

仁が、溢れる涙をこらえて必死に絞り出した言葉は

｢奏叶はもう居ないんだよ！｣

私は、笑っていたと思う。
嘘だよね？何言ってるの、そうやって叫んだ。看護師さんが来て、落ち着いて下さいって何回も言われた 。

落ち着けるわけが無い 、だって私の中では奏叶の最後の声がまだ残っているから