あの家にはもう帰りたくない迎えに来て?

そういう風に奏叶に電話をした。

1時間ちょっと掛かるその場所からバイクに乗った奏叶が、迎えに来てくれた。

《泣くなよ、お父さんに見て欲しかったんだな》

何も言わなくても、分かってくれた。

頭を撫でたその手の大きさが悲しみも包み込んでくれたのかな、泣き止めた。

その日は、ファミレスで二人で朝まで時間潰したよね 。