『……あのさ、夜木君』
「……なに??」
ポンポンッと彼の背を叩きながら、話しかける。もう楽になろうと口を開いた。
『私ね、夜木君のことが……スキ』
「…………え??」
間の開いた返事に、言うのをためらう。それでも言わなきゃ、伝えないと。
『迷惑だね……ごめん、ごめんなさい……』
ポロポロと涙が溢れ始める。
ごめんなさい、好きになって。貴方に見合う女の子じゃないのに、ごめんなさい
『ご、めんなさい。……でも、すきで……んッ』
体が硬直した。目の前には彼の顔、唇に触れる熱に目を見開く。ゆっくりとはなれたと思うと、また触れる。
『よ、ぎ……くん??』
「謝らないでよ。俺フッたみたいじゃん……。俺も好きだよ、入学式のときからずっと」
『……はい!?』
いろんな感情が吹き飛ぶほど重大な事実を耳にした。モードぶち壊し、でもそれどころじゃない。
『にゅう、え??なんで??』
「……まぁ、そうか俺の一歩的な一目ぼれだったし」
『はぁッ!?!?』
一目ぼれ!?私の、何処にそんな要素が!?!?
「入学式のとき、俺の落としたハンカチ拾ってくれたでしょ。ありがとって受け取ったら、信じられないくらい綺麗に笑うからさ……」
段々と尻つぼみになってく彼の顔を見上げると、茹蛸の様に真っ赤になっていた。
夜木君もこんな顔するんだ。
いつも爽やかで、いつも余裕があるってイメージだから新鮮。
「一目ぼれとかありえねぇって思ってたけど、なにやっても頭からあの笑顔が離れなくて。クラスは同じで、しかも席替えしたら隣の席、ずーっと話すタイミングうかがってた」
ギュッとまた抱きしめられ、耳元でボソリと彼は呟いた。
「かっこ悪いから言わないでおこうと思ったけど、図書室で最初にあったあれ。偶然じゃない」
『え』
「図書室で何回か見かけてたんだ。ちょっと話したらこの気持ちが治まるだろうって、思い切って話しかけた」
『……そうだったんだ』
「でも、違った。会えば会うほど、好きになって。いとおしくて、いっつも余裕でいようとしてたけど、内心はドキドキしてて」
彼の胸に耳を当てる、心臓の鼓動は私と同じくらい早い。ドキドキしてくれているんだと思うと、嬉しかった。
「俺の所為で、怖い思いさせたのに助けられなくてごめん。これからは守るって約束する。大事にするから、俺と付き合ってください」
『……透明人間ですけど、いいですか??』
グニッと頬を引っ張られる。彼は怒ったのかムっとしていた。
「透明人間って自分で言うの禁止。透明だろうが何だろうが、俺は見つけるよ絶対。だから安心して」
『……ありがと』
「それで、返事は??」
『さっき言ったんですが』
「それとこれとは別じゃない??」
『……』
「……ねぇ、言ってよ椎名」
ボボッと頬が熱くなる。ここで下の名前を呼ぶのは反則でしょ!!
「ねぇ、言って」
耳元に彼いの息がかかりビクッと肩をふるわせた。
『……よろしくお願いします』
フワッと微笑むと顎に手を添えられ、もう一度唇が触れ合う。一瞬の触れるキスが、とてつもなく長く感じた。
長い夢のような、そんな心地の中目を閉じた。
恋に色をつけるとしたら、私は透明だと思う。
暖かな色でも、沈んだ色でもない。
色があれば、他の色とお混ざってしまうことだってある。
私は何色にも混ざらない透明でありたい、いつまでも澄んだ気持ちで君を好きでいたいから。
恥ずかしくていえないけどね、こんな事。
――さて貴女にとっての恋の色とは、一体何色でしょうか??
それぞれが持つ恋の色、考えてみると面白いかもしれません。
《完》
【不器用だよ!!黒田君】
「黒田って不器用だよね」
ヘラッと笑う夜木に黒田は眉間に皺を寄せた。
「あぁ??ンだとコラ、んなこと言う前にまず俺に感謝するべきだろ」
「本当に素直じゃないよね、本当は椎名の事好きだったんだろ??」
「はぁ!?!?ざけんな!!何であんな根暗!!」
「……まぁ確かにちょっとネガティブではあるけど、素直だし可愛いし可愛いし」
後半惚気る夜木に黒田のこめかみがピクピク痙攣した。
「何しにきたんだテメェは」
「まぁ、お礼を言おうと思って、黒田が来てくれたから椎名の事助けられた。ありがと」
「……勘違いすんじゃねーぞ。俺は、あいつのために言ったんであってお前のためじゃね」
「はいはい」
「あいつ泣かせたら、ぶちのめしてあいつ奪ってやるからな」
「……安心してよ、そんな機会はあたえないから」
「そりゃあ、安心してられるな」
ジーッと夜木に視線を向けた黒田は、ハッと笑うとその場から立ち去った。
それを見送った夜木はハーッとため息をついた。彼がなぜ椎名に驚かなかったか。簡単だ、彼がいつも椎名のこと意識して見ていたから。
俺と同じってことだね。
「本当に不器用……椎名、絶対言うまで気づかないよ??透明人間って、あだ名つけてまで気を引こうとしてたこと……」
まぁ、敵に塩を送る事はしないけど。
夜木は、フッと笑うと椎名が待つ教室へと向かった。
【完】
【夜木君ブチギレ事件】
めでたく付き合うことになった、うん、今も夢なんじゃないかと頬をビンタしたりする。
今まで努力してなかったけど、最近は自分から進んでクラスの子に話しかけたりもしてる。うん、頑張ってるよ私!!
そんな中一人、クラスでよく話をする子が出来た。名前は子安 夢花【コヤス ユメカ】ちゃん。フワフワしてて凄く可愛らしい子。
「そういえばさ、椎名ちゃんが帰った後。夜木君がブチギレてた事あったよ」
『え??夜木君って、ブチギレる事あるの??』
「うん、怒鳴りつけてて珍しいなぁって覚えてる」
『えー、なに??原因は??』
あの爽やかな彼が怒鳴りつけるほど怒るって、一体何が??
「その子さ、椎名ちゃんが隣の席でかわいそーって言ったの」
『え??』
「椎名ちゃん、透明人間って言われてたでしょ??透明人間が隣でかわいそーって」
ふと、帰りにそんな声が聞こえた日があったなと思い出した。たしか、黒田君にあった日か。
「そしたらさ、ガッターンって大きな音立てて立ち上がって「お前に何が分かるわけ??透明人間って何だよ。どいつもこいつもふざけんな!!」ってむちゃくちゃ怒ってた」
『そうなんだ……』
「後日、言い過ぎたって謝ってたみたいだけど、いやぁ愛されてま、んんッー!!」
「ちょっとお前喋りすぎ」
急に夢花ちゃんの口を塞ぐ大きな手が現れた。見上げると夜木君で、彼は気まずそうに目をそらした。
『ありがとね夜木君』
「いや!!……別に、俺がいやだっただけで……」
ボソボソと呟く夜木君の頬は少し紅い。きっと私も紅いと思う。恥ずかしい、すごく嬉しいけど。
「オアツイねお二人さん」
お互い頬を紅くする私たちを、夢花ちゃんはヒューヒューッと茶化した。
「お前ほんと黙って!!」
【完】
最後まで見て下さった皆様方おはようございます《現在午前八時二十二分》
この作品は昨日から書き始めた作品です。
短編を一日で書く上げてやるぜい!!
って書き始めたんですけど、書き終わった頃には日付変わってました(笑)ワイルドだろぉう←
ちょっと詰め込みすぎてしまっただろうかとか、いろいろ考えてしまいましたが
いつも通り、亞莉独特のあやふや感(い、いい意味で!!いい意味ですよ!!←必死)になりました(笑)
初恋って甘酸っぱいらしい……。
ふと自分の初恋を思い出して、泣きそうになった←(闇深)
恋の色をつけるなら、皆様は何色を連想しますか??
私は……なんて、無駄話でしたね(笑)
この度は最後まで読んでくださり、まことに有難うございました!!
それでは、別の作品のあとがきでまた会えますことを願いなら
亞莉 2018.2/6