爺や「そ、その腕でぇっ!」

光琳「んだよ。」

爺や「どおやって、書き上げたぁ~っ」

光琳「俺の手は、一本じゃないってこった。」

爺や「なに。」

光琳「出てきてくれ。彼女に手伝ってもらった。入ってきてくれ。」

襖の影から、みよちゃん、お茶屋の店員さんが、うでまくりして出てきた。

鼻に、墨が付いていて、手に、片手、お団子、片手、絵筆を握りしめていた。