実らないはずの初恋を

あれから、1年くらいが過ぎた。




昨日、私と友衛は結婚した。




何でか、ウエディングだった。




神社だし、友衛も妖だから、




日本の白い衣のやつの方だと思ってたんだけど、




まぁ、ウエディングは綺麗だった。




何か、友衛に選んでもらったら、




胸元がら空きで、体のラインが出るドレスを選ばれた。




そのまま試着して決定。




バージンロードを兄達と歩いた。




とても緊張したけれど、楽しかった。




友達って言うか、幼馴染み?




みたいな子達がいっぱい来てくれた。




皆、神社と祓い屋をしている家系の子達。



そして、花束を皆の方に投げた。




キャッチしたのは、お兄ちゃん。




あ、雅兄ね。




とても喜んでいた。




それとほぼ同時に、




雨が降ってきた。




「天気雨。狐の嫁入り」




この2つの言葉が出てきた。




「あ~、あれは面白かったな~」




友衛「どうしたの?」




と、いきなり抱きつかれた。




「フフ、昨日の事の振り返り」




友衛「へぇー」



今は、私の部屋に居る。




家を見に行きたいんだけど、




雅兄は神社の店番。




麗兄はお仕事で出掛けてる。




その為、雅兄が「もしもの時の為に!」





とかで、家から出してもらえない。




そして、ベットに腰掛けていたって訳。




パクっ




「ひゃ!」




友衛「そそるね、本当に」




あ、あれから変化が自在に出来るようになって、




今は妖の姿で居るの。




こっちの方が楽だから。



「耳、辞めろ」




友衛「耳だけは辞めてあげるよ」




と言って、私を押し倒す友衛。




「え、ちょ」




って、私今パジャマのまま!




服の隙間から友衛の手が入ってくる。




「や、辞めキャ!」




尻尾!




「尻尾!」




友衛「フフ、耳辞めたんだから、もう辞めてあげな~い」




「意地悪!」




友衛「ありがとう」




そう言って笑う友衛は、




とても妖艶でありながら、




昔、と言うか、




前の明るい笑顔を、思い出させてくれる。




今考えると、友衛が高校に来ていなかったら、




私達は、今どうなってたんだろ?




でも、これが必然だったりして。




良かったと思う。




叶わないはずの初恋を、貫いて。




end
ありがとうございました。




完結作品2作品目です!




短い短編でしたが、




読んで頂き、ありがとうございました!!




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