実らないはずの初恋を

と、




ドタバタドタバタ!




シャッ!!




って感じで、




お兄ちゃん2人が廊下を走ってきて、




襖を勢いよく開けた。




麗斗「何だ、落ち着いてるな」




雅人「友衛のおかげだな」




ん?




「久し振りに、会った気がする。麗兄と」




麗斗「まぁ、確かに結構会ってなかったな」




雅人「あぁ、俺も久し振りだしな」




麗斗「あぁ」




と、笑い合う2人の兄。




と、




友衛「本題」




そう言うと、




ハッとした様子。



麗斗「本題だな」




雅人「あぁ」




真面目な顔になる2人。




そして




麗斗「苺」




と呼ばれ、起き上がろうとするけれど、




「あれ?」




麗斗「そのままで良い」




「うん」




麗斗「苺、苺は1000年に1度の血を持つ娘だ」




「え?何それ」




友衛「聞いたことがある」




ん?



友衛「その1000年に1度の血を持つ女を抱けば、妖力はずば抜けて高くなる。




故に、妖らは子孫を残すために、その女を欲する」




「え」




麗斗「その通り」




え。




雅人「実は、苺がその1000年に1度の血を持つ娘何だ」




「皆、知ってたの?」




雅人「友衛は知らないが、俺達2人は知ってる」




「へぇー」




1000年かぁ~。




凄い。




雅人「で、苺には妖狐の血が流れてるんだ」




「は?」




友衛「妖狐の?」




麗斗「だが、母さんと父さんはそれを隠し封印した。が、2人が他界してから、封印が緩まり、




感情が高ぶったせいで封印が掛けられてるか掛けられていないか区別するのが難しい状態までになった」




雅人「術の基礎を学べば、簡単に変化できるし、他の術も使えるようになる」




友衛と同じ妖狐か~。




嬉しいなぁ。




友衛「再度封印はしないのか?」




雅人「しない」




麗斗「と言うか、力がスゴすぎて封印出来ないんだ」




そんなに凄いのか。




麗斗「で、話がいきなり飛ぶんだが、友衛と苺が夫婦になる事を考えたんだ」




「!!」


友衛「は?」




雅人「2人が恋人になったことを麗斗に話したら、話が進んでね」




麗斗「だが、無理強いはしない。ゆっくり考えてくれ」




と言って、2人は出ていった。




「、、、」




友衛「、、、」




無言。




すると、




友衛「苺の好きにしたら良い」




「え?」




友衛「俺だって、妖だ。苺が怖い想いをするかもしれない」




え?



友衛「今すぐにとは言わ「何言ってるの?」?」




「私は、友衛の物だよ!」




友衛「!!!」




耳がさっきよりもピンと立ってる。




「可愛い!」




試しで起き上がってみようとすると、




すんなり起き上がれた。




友衛「大丈夫なの?」




と聞く友衛に、




「えいっ!」



と、抱きついた。




そしたら、固まってる。




私は気にせず耳を触る。




友衛「耳は、辞めろ」




「えー!」




友衛「お仕置き、されたい?」




と、笑顔で言う友衛は、




とても黒かった。




「いえ!」




私はベットに戻った。




と、




何かいつもと違う気がする。




友衛も、驚いてる?




「どうしたの?」




と、聞くと、




友衛「苺、耳と尻尾」




「へ?」



耳を触ると、無い。




けど、声は聞こえる。




と言うか、尻尾?




腰辺りを触ると、あった。




てことは、




頭を触ると、あった。




「キャーーーーーーーー!!!!!!!」




友衛「!!」




雅人「どうした!」




と、勢いよく襖を開けた雅兄。




兄達「「!!!」」




「耳と、尻尾」




友衛「髪色も、変わったな」




「え?」



髪を見てみると、




「銀色」




雅人「まさかもう変化するなんて」




麗斗「しかも、銀に変わるとは」




そう言って、笑い合う2人。




友衛「綺麗」




「友衛も同じ色でしょ?」




そう、友衛と全く同じ色。




それがまた嬉しい。