和装ということもあって、会場までは車で向かった。
モニカちゃんが運転する真っ赤なオープンカーに乗せてもらった。
助手席に獅子島さんが乗る。
その後ろに私が乗り、両脇に瑞希お兄ちゃんの烈司さんが座った。
サイズのデカい百鬼は一番後ろ。
冷房の代わりに、風圧が私達へ涼しさを提供してくれた。
「間に合いますかね、花火?」
「モニカちゃんの腕を信じてよ、凛ちゃん。」
「お前のせいで、遅れたわけだがな。」
「円城寺達は、もうついてるみてぇだぜ?」
「大河達が場所取りしてくれてるんだよな?」
「わはははは!瑞希のためなら頑張るだろうぜ!」
2週間前、みんなで花火を見に行こうという話が出た。
言い出しっぺは円城寺君だったけど、それに瑞希お兄ちゃんが答えてくれた。
話は進み、今年最後の花火大会に新旧龍星軍全員で参加するということになった。
2人きりではないとはいえ、瑞希お兄ちゃんと花火を見に行けることに私はウキウキでした。
「凛は、花火好きか?」
「好きです。」
「今度はうちの庭で花火するか?」
「しますっ!」
「よし!打ち上げしような?ねずみ花火もな?」
「うん!」
瑞希お兄ちゃんと約束して楽しくなる。
良いことが待つ未来が、待ち遠しくなる。
こんな風にして彼は、私を幸せにしてくれるのだ。
「みーちゃんばっかり、ズルいわよ~凛ちゃん、モニカちゃんに言うことなーい?」
運転席のモニカちゃんが問いかけてくる。
「今年は凛ちゃんがいるから、頑張っておめかししちゃったぁ♪」
「浴衣姿、とても可愛いですね。」
「ホントに!?嬉し~♪」
モニカちゃんは本当にすごかった。