「モニカちゃん。」

「あたしが着替えるまで、待ってよぉ!」

「なんだよ、その格好で行くんじゃないのか?」

「馬鹿言わないでよ、みーちゃん!凛ちゃんのお着替えを優先して、自分のことは後回しにしてただけよ!」

「別に、そのままでいいじゃんか、モニカ?」

「絶対いやよ!!せっかくの花火大会よ!?夏のイベントよ!?こんなノーメークの部屋着で行くわけないでしょ!?」

「はあ?化粧まですんのかよー?」

「当たり前でしょ、みーちゃん!?」

「え・・・?モニカちゃん、お化粧しなくても綺麗じゃないですか?」

「あん♪凛ちゃんてば、上手いこと言うんだから~!!」

「わっ!?」



私の言葉に、満面の笑みでハグしてくるオネェさん。



「モ、モニカちゃん、苦しいです~!」

「あたしが美少女なんて、べた褒めしてぇ~!!」

「凛はそこまで言ってねぇ!」

「なによぉ、焼きもち~?」

「いいから離れろ!」

「いやぁーん!」



モニカちゃんにギューとされる私を、あきれ顔で引き離してくれる瑞希お兄ちゃん。



「あーら、ら。こりゃあ、まだ待たせる気かぁ~」

「ただでさえ、モニカは時間がかかるというのに・・・・これだから『女子』は・・・」

「わはははは!顔に無駄な抵抗するってかぁ~!?」

「なんですってぇー!?」

「お、落ち着いてください、みなさん!モニカちゃん、僕につきっきりだったから、自分のことが後回しになったわけで~!」

「あらん、凛ちゃんが気にすることないのよ~!モニカちゃんが、好きでしたことだからぁ~!」

「だからオメーは、凛にベタベタしないで、さっさと着替えろってんだよ!」

「今日のみーちゃん怖ーい!言われなくても、手早く用意しますよぉ~だ!待っててね、凛ちゃん♪」

「は、はい・・・」



私にウィンクすると、いそいそと着替え始めるモニカちゃん。

そんな彼女を残して、部屋から出て行く烈司さん達。

私も、瑞希お兄ちゃんに手を引かれて部屋の外へと向かう。

その後、モニカちゃんの着がえが終わるまで、1時間ほど待たされることになった。



〔★オネェさんの支度は時間がかかる★〕