「お前、暑いのにまだ厚着を続ける気かよ?それとも、オネェさんを警戒して脱げなかったとか?」
「失礼ね!凛ちゃんが嫌だって言うから脱がせてないわよ!脱がしたいけど!」
「そーかい。つーか凛、暑くねぇ?」
そう言うと、私の首に手を伸ばし、アンダーシャツを軽くつまむ。
「あ!?」
(ヤバいのど仏!触られたら、ないのがバレる!?)
「だ、大丈夫です!僕、好きなんですよ!アンダーシャツ!」
私の服をつまむ彼の手を、丁重に押し戻しながら訴える。
苦しい言いわけをして誤魔化してみる。
「だから、お気になさらないでください!譲れないマイブームのオシャレというものですから!」
「ふーん。ならいいけど・・・面白いマイブームだな?」
「あははは・・・」
しろもどする私に、瑞希お兄ちゃんは苦笑いしながら追及をやめてくれた。
よかったと胸をなでおろしたのもつかの間。
瑞希お兄ちゃんは、とんでもないことを言った。
「凛、ちゃんとアンダーシャツの下には、防弾チョッキも着てるよな?」
「え!?着てませんよ!?花火を見に行くだけでしょう!?」
「凛、撃たれた過去があるじゃん?」
「確かに同じ火薬系ですけど!!」
〔★使い方は違う★〕
「なに言ってんの、みーちゃん!?」
「それはオメーだよ、モニカ!何で着せないんだよ?」
「この真夏にそんな厚着させられないわよ!重いだけじゃなくて、見た目が不格好になるでしょう!?」
「そこは熱中症のことを心配しろよ。瑞希ぃ・・・防備も大事だけど、防弾チョッキは・・・大げさだろう?俺らがいるのによ?」
「烈司に同感だ。皇助という肉の壁があるだろう?何を言っているのやら・・・」
「オメーが何言ってやがる、伊織ぃぃぃ!!」
(肉の壁って・・・・)
真顔で言う獅子島さんに、目を見開いて抗議する百鬼さんを見て思う。
(ホント、扱いがひどいな・・・)
〔★今に始まったことではない★〕