もしかしたら・・・という可能性はあった。

ヤマトはあの通りだから、ハッキリ言って目立つ存在。

声も姿も大きいから、暴走族なんかすれば、絶対に・・・



「よくわかったね、フッチー!?」

「気づかない方が、どうかしてるわよ。」



(その流れで、私のことがバレませんように・・・・!)



いつも以上に身を小さくしながら、読書しているふりを続ける。

そうしつつ、意識は渕上達の話の内容へと向けていた。



「ルノア、転校生にアポとるの!?」

「てか、うまく行けば、凛道さんに会えるんじゃない!?」



(やめてぇぇぇー会いたくない!!)



学校だけでお腹いっぱいだよ!

涼子ちゃんにからんでた先輩達は寸止めですんだけど、お前らを寸止めに出来る自信がない!



〔★確実に怪我をさせる★〕



「てかさ、宿題どうなってんの?」



ハラハラしながら聞いていたら、突然話題が変わった。



「早く宿題が終わってる奴は、登校日に持ってきてるそうだけど・・・?」



そんなことを渕上が言った。

途端に、私の机の両脇に影が出来る。



「おい!できてんだろうな、ゴミ原?」

「え!?」



本から顔を上げれば、難波と鳥海が私の両脇にいた。



「え!?じゃねぇーよ!だせ!」

「えっ!?ちょ、なに・・・」



なにするの?と言い終わらないうちに、椅子から無理やりどかされる。



「や、やめて!」



机とカバンの中をあさられる。

中にあった宿題を奪われる。



「ちゃんとできてんじゃん。」

「これをコピーすれば終わりだよね~」

「コンビニでコピーしよう!

「お金忘れたから、貸してね~」

「な、返して!」



いつの間にか、一緒に取られていたお財布。

そこからお札も小銭も、全部抜いてから投げ返してきた。