龍星軍の集会の話は、あっという間に広まっていた。
「聞いたか!凛道さん、1人暴走族を卒業したんだってよ!」
「知ってる!爆裂弾がメンバー入りしたんでしょう?」
「それだけじゃない!SHIELDから引き抜いた可児もいるって!」
「けど、大穴は、JAGUARの幡随院長政だろう!?極道息子が凛道さんにメロメロだってよ!」
「しかも、忍者まで仲間だって言うじゃんか?」
「それからー」
(うるさいな・・・)
あゆみが丘学園の登校日、教室で騒ぐクラスメートに呆れる。
凛道蓮に夢中なおかげで、菅原凛が被害に合わないのは良いことだけど。
あいかわらず1人ぼっちの私は、文学書を読みながら静かにやり過ごしていた。
「ルノア、おはよう!」
「おはよう。」
現れたのはいじめの首謀者の渕上ルノア。
飯塚アダムと腕を組んで教室に入ってくる。
「フッチー久しぶり!」
「ルノア、例の話はどうなったの!?」
「まぁ、ほぼ決定かな。」
難波と鳥海の問いに、いつも通りのそっけない態度で答える渕上。
それで手下二人が叫んだ。
「おめでとう、フッチー!」
「芸能界デビューおめでとう!!」
(・・・・・・・・・あんだって?)
その言葉で、文庫本のページをめくろうとしていた手が止まる。
芸能界デビュー?
え?誰が?
「マジかよ、渕上!?」
「ルノアちゃん、可愛いもんな~!」
あっという間に、クラスメート全員が渕上の元に集合する。
「モデルはどうするの!?続けるよね?」
「まぁね。」
(はあ!?ヤンキーなのに、モデル!?レディースの総長がモデルしてたの!?)
〔★凛的衝撃事実だ★〕