「その割には、不満そうだな?」
「そうじゃないです・・・」
「じゃあ、なんだ?」
「その・・・・あまりにも・・・なにもなかったので、びっくりしたと言いますか・・・」
「あった方がよかったのか?」
「そうじゃないですってば!僕の時は・・・他の族や警察が追いかけてきたのに・・・今夜は誰も絡んできませんでした。」
「ははは!気持ちはわかるぜ?けどな・・・そもそも凛の場合は、あり得ないことが多すぎたんだよ。」
「え?」
「初集会だって、ありゃあ巻き込まれ過ぎだ!普通はこういうもんだぜ?」
「そうだったんですか!?」
(嫌だわ・・・気をつけないと感覚がおかしくなっちゃう。)
〔★すでに麻痺している★〕
「ですが・・・少なくとも、警察ぐらいは邪魔しに来ると思っていたんですが・・・おじさん・・・出てきませんでした・・・。」
あれだけ私を捕まえると息巻いていたのに、今夜は現れなかった。
岩倉とかいう部下も来なかった。
「なにかあったんでしょうか?」
「あー・・・バラさんは来ないだろうぜ。」
「なぜです?」
「バラさん、入院してるらしいんだ。」
「え!?入院!?」
「おう。部下が用意した買い置きのレトルトカレーで、食中毒になったらしい。」
「レトルトで!?お米、傷んでたんですか!?」
「いや、米はレンジでチンする奴だ。問題はレトルトのルーが・・・『常温保存』じゃなくて、『冷蔵保存』用だったらしいんだよ。それに気づかなかった部下が、常温で放置してたのを、知らずに食っちまったらしい。」
「それは・・・怒っていいか、難しいところですね。」
「元々、洗剤で米洗うようなお坊ちゃんらしいからな、岩倉って刑事。バラさんも大変だぜ。」
「え!?あの若い刑事さんが、やらかしちゃったんですか!?」
(なぜだろう・・・説得力がある。)
〔★痛いキャラだからだ★〕