「百鬼先輩~」

「どうして、僕とつなぐだけ、衝撃が軽いんですか?」

「あん!?ぶっちゃけ関山は、性別未定だろう!?戸籍通り女になるかもしれない奴を殴れるか!」

「そうでしたね。」

「わーい、嬉しい~百鬼先輩、お優しいですね~!」

「そうですね、優しいで・・・え?僕は?」



嫌な汗が背中に流れる。



「百鬼さん・・・レディーファースト的な意味で手加減されたと言いましたが、僕は・・・?」



凛道蓮は、男の子設定。

女には手加減したということは、まさか・・・・!?



(女の子だとバレたっ!!?)



恐々聞けば、野獣は言った。



「わははははは!なんとなくだ!!」

「なんとなく!?」

「落ち着け、凛。からかわれただけだ。」

「あるいは、気に入ってるから手加減したかだな~」

「あたしも凛ちゃん殴れなーい!」

「俺は殴れる。」

「つーことで、気にするな、凛。」

「そ、そうですか・・・」

「わはははは!」



(びっくりした・・・バレたかと思った。)



〔★心臓に悪い優しさだ★〕



先輩達に喝を入れてもらい、ガレージから外に出る。

相棒であるバイクと共に。



「それじゃあ凛、みんなも、気をつけて行って来いよ!」

「バラさんには呪いかけといたから、今夜は出ないと思うぜ~」

「無事に帰ってくるのよ~」

「ケンカを売られたら、100倍返しを忘れるな。」

「わははははは!羨ましいぜ、ガキ共が~!」

「ありがとうございます、みなさん。」

「「「「「「「「あざっす!!」」」」」」」」



瑞希お兄ちゃん達にお礼を述べて、それぞれのバイクにまたがる。

エンジンをかける。





「―――――――――龍星軍、出撃だっ!!」

「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」





私の声を合図に、特攻隊から順に走り出す。

そんな私達を、お店の前で見送る5つの影。

好きな人に見送られながら、私は仲間達と夜の街に躍り出た。