目的の建物に向かいながら、女装の瑞希お兄ちゃんは語る。



「お金をかけないで隠れるなら、パチンコかゲームセンターね。」

「え?パチンコ屋さんってお金かかりませんか?玉を買うから有料じゃないですか?」

「パチンコしなければいいのよ。最近は、休憩スペースに漫画を置いてるらしいの。種類もたくさんあって、自由に読めるんですって。トイレもすごく綺麗らしいわよ。」

「へえ~楽しそう!漫画の読み放題は良いですね~」

「だからと言って、パチンコは、ギャンブルはしちゃダメよ!?蓮君はそういうことしちゃいけない子だからね!?」

「わ、わかりました・・・」



〔★凛は釘を刺された★〕



「僕、未成年ですから、パチンコ屋さんは生きませんよ。」

「未成・・・あ!?そうだった!未成年連れじゃあ、パチンコ店はまずかったわね!」



何気なく言った一言に、ミクお姉さんはしまったという顔をする。



「冷静に考えれば、パチンコ屋は24時間営業じゃなかった・・・!」

「じゃあ、24時間のところにしますか?せめて、朝まで開いている場所など・・・」

「そうね・・・安全を考えてネットカフェにしようかしら。でも夜って、保護者同伴でも未成年はOKだったかしら?この場合、未成年の身分証明書の提示は必要だったかな?」

「っ!?」



(身分証明書!?それは困る!!)



「お、お姉さん!他にはないんですか!?ネカフェ以外は!?」

「え?ネカフェの方が、ドリンク飲み放題だし、パソコンもテレビも見れるし、個室だから仮眠もとれて便利だけど?」

「ネカフェ以外は!?」

「なに?いやなの?しかたないわねぇ・・・うるさいけど、カラオケしかないわよ?・・・でも、そっちの方が、身元をうんぬんをうるさく言われなくていいかしら・・・・?」



ぶつぶつ言う瑞希お兄ちゃんに手を引かれながら願う。





(神様どうか!!私の身分を伝えなくてもいい場所になりますように!!)





〔★凛は神様に助けを求めた★〕