「大丈夫ですか!?」



安否を問いながら、後部座席をのぞき込めば―――――



「ひっく!ひっく!」

「うう・・・」

「シクシク・・・」



被害者である女の子達がいた。

泣いていた。



「なにぃ、今のぉ・・・?」

「・・・・・救いの一撃ですよ。」



表情がうつろな子もいたが、私の言葉で泣いていた子達が泣き止む。




「みんな、もう大丈夫ですよ!半グレ集団、MESSIAHは倒しましたから自由です。」

「え!?やっつけたの!?」

「もう、ウリをさせられなくていいの!?」

「いいんですよ。助かったんですから。」

「あ、あなた一体・・・?」

「なに者なの?」

「話は後です。一度車から降りましょう。」

「車から出すなら、顔を隠させなさい。」

「え?」




言ったのは、お姉さん姿の瑞希お兄ちゃん。

いつの間にか、私の後ろに立っていた。



「野次馬が集まってきたから、撮られないようにしなきゃ・・・家出中なんだし、ね?」



その言葉で、服やタオルを頭からかぶる女の子達。



(そうだよねー・・・すぐに拡散されちゃうから・・・)



1人ずつ、手を貸しながら車から降ろす。

その作業をしながら、小声でミクお姉さんに聞いた。



「あの・・・車内にいた方がよかったのでは?」

「念のためよ。ないとは思うけど・・・車が爆発したら困るからね。」

「ウェイウェイウェイ!そこら辺の加減はした的なー!」

「ちーちゃん・・・」



見れば、ぐったりした男を引きずっていたチャラオ。



「それ、どちら様?」

「あはははは!運転手~」

「黒木でしょう、蓮君?」



言われてみれば、ロン毛の名残が・・・うん、顔がボコボコだから、髪ぐらいしか、判断材料がないわね。



「わざわざボコらなくてもいいのに・・・」

「ウェイウェイウェイ!誤解しないで!爆発に巻き込まれないように、引きずり出してあげた的な~!」

「爆発しないように、調整して突っ込んだんじゃなかったんですか?」

「日本語って難しー!」



〔★難しくしてるだけだ★〕