元JAGUARの幡随院がMESSIAHを片付けるって言ったのを止めたのだって、アキナと関係のあるMESSIAHと凛を関わらせないためだ。

凛が上手く、幡随院を抑えてくれてればいいんだがな・・・

いや、大丈夫だ。

幡随院は凛の言うことしか聞かない。

凛の言う通りにしているだろう。



〔★それも問題だ★〕



これまでの調査で、MESSIAHが売春とドラッグで稼いでるのはわかってる。



(引退した身でしゃしゃり出るのはよくねぇが、龍星軍のシマで、好き勝手されちゃたまんねぇからな・・・!)



「可愛いな、あれ。」

「みんなで仲良く遊んでるぞ。」

「ちあきの奴、あんな顔できるんだな?」

「ああしてると、普通にいい感じなのにな~」

「楽しそうだなぁ~」

「超萌えるわ~!」



ふいに、周りがうるさくなる。

客である男達が、何やら盛り上がっていた。

奴らの視線の先はマジックミラーの部屋の中だった。



(んだよ、一体?)

「ねぇ、何が面白いの?」



近くにいた奴に可愛らしく聞く。

何度もここに下見に来てるが、こんな盛り上がり方は初めてだった。

これに相手は、締まりのない顔で言った。



「あ、いや、あの・・・お、女の子達がトランプしてんだよ。へへへ・・・!」

「トランプ?」



演技も含めて、未成年を物色する者として、何気なく視線を向けたのだが・・・



「きゃはははは!蓮の負け~」

「えー?また僕がびりですか?」



(でええええええ!凛!?)



ショーケースという名の大部屋の中に、俺の可愛い弟がいた。



「ちあきさん強いね~」

「なずなこそ、やるじゃんか?」

「また僕が、カードを切る係り~?」



(な、なにしてんだ、あいつ!?)



〔★トランプだった★〕



なんでだよ!!?

なんで、女の子達とババ抜きしてんだよ!?

負けてんだよ!?



〔★凛の出現、瑞希は動揺している★〕



何してんだよ、凛!?



(MESSIAHが商売してる店になんで凛が!?)



可愛い弟がいる理由を、フル回転させて考える。

そして出た結論。



(あいつ・・・お兄ちゃんのいいつけ破りやがったのか!?)



そうでなければ、これは天文学的な奇跡だ!



〔★人はそれを運命とも呼ぶ★〕