「最近は、よくわかんねぇ団体が、廃棄直前の弁当を材料にして、それを見せに出すって言う食堂が増えてるからな!いくら安くても、タダだったのが金を払う定食に化けちゃ、こまるんだよな~」
「夏場の食事探しは、ただでさえ大変だからな。まだ夏祭りがある分、残飯があされていいけどよ!」
「坊主、菓子は飴にしてくれよ!」
「俺はガムが良い!」
「酒もあったら嬉しいんだけどなぁ~?」
「無理言わないでください、秀雄さん。」
「そうですよ。僕、未成年なので買えないです。」
「わははは!だってよ!」
「調子に乗るなよお前~!?」
「そのおかげで可愛い返事が聞けただろう~?良い子だな、坊主は?」
「こうなったら本気で、チョコちゃんを助けようぜ!なあ、丸ちゃん?」
「はい・・・!お前本当に・・・ヤンキーらしくないな、チョコ・・・?」
先輩の言葉に同意しながら、私についての感想を述べる丸山さん。
「丸山さんは、頼もしいですよね?」
「なっ!?お、お世辞はやめろよ!?そういうウソは・・・」
「嘘じゃないです。本気で僕を心配して、抱えて連れ出してくれたでしょう?」
「ば!?もう言うな!とにかく、ぜ、絶対、謝る機会を作ってくれよ・・・!?」
「わかってます。」
女装した瑞希お兄ちゃんにまた会えるかわからない。
だから、もしもの時は『事情を知ったお姉さんは、対面での謝罪は望まず、怒ってないどころか感心してました』と伝える予定でいる。
(世の中には、ついていいウソがあるもん。そうだよね、瑞希お兄ちゃん?)
「丸山さん、みなさんも、ご協力、よろしくお願いします。」
「ああ・・・・こっちこそ、よろしく・・・」
手を差し出せば、少し動きを止めた後で、私の手をにぎってくれた。
それを見ていた他のホームレス達は、盛大な拍手で答えてくれた。
こうして、MESSIAHへの共同戦線が成立した。
〔★凛はホームレスを味方につけた★〕
~◆昨日の他人は今日の友!半グレ・MESSIAHを追いつめろ!!◆~完~