「世間じゃ、半グレって言われてるが、やってることはヤクザと変わらん!ヤクザ以上に、秩序も何もないからな。とんでもない悪ガキ集団だよ、MESSIAHは!」

「それまでも悪さはしてたが、今年の夏になってから、急に派手でに活動し始めたんだ。」

「さっき話に出た大原ってやつが、えらくキレてたぞ。MESSIAH対策で、パトロールも強化してるらしい。」

「俺らなんか、見つかったらサンドバッグ扱いだもんな!よくて、ブルーシートと段ボールの家を燃やしてくれる。おかげで、警察は消火活動の後で俺達の寝床を撤去出来て大助かりだそうだ!」

「ちくしょう!これというのも、半グレのガキのせいだ!MESSIAHめ!」

「なんか、そいつらを抑え込んでた全国ナンバーワンの半グレのボスが引退しちまったから、MESSIAHが暴れ回ってるらしいぜ!」

「やめるのは勝手だが、周りに迷惑かけるなよな!どんな顔してるか、見てみたいぜ!なぁチョコ?」


「そ、それは・・・」

(知ってる・・・)


丸山さんの問いに心の中で答える。



友達だから、彼の顔も性格も知ってる。



〔★言うに言えない事実だ★〕



「迷惑な話だぜ!半グレナンバーワンも、伝説の暴走族に入るために、半グレやめたらしいが・・・!」

「そ、そうですか・・・」



ガミガミ怒る丸山さんの話はさらに続く。



「その伝説の暴走族、総長は中学生らしい!チョコとそんなに年の変わらない子が頭とは・・・無茶苦茶だぜ!チョコも、そう思わないか!?」

「そ、それは・・・」



再度問われ、心の中で返事をする。



(中学生じゃなくて、高校生なんだけどな・・・)



〔★ここでも中学生扱いだった★〕



丸山さんの文句に触発されたのか、他の人達もぶつぶつ言いだす。



「その伝説の暴走族に勝てない腹いせで、俺らに八つ当たりがくるんだよな~!俺らを標的にすることはないだろう~?」

「中坊目当てで全国ナンバーワンの半グレが辞めちまったのだって、中坊総長が原因だよな!?迷惑だぜ!」

「おう、腹立つよな!とっちめてやりてぇよ!伝説の暴走族の総長さんをよ!」



困った・・・


(私がその総長だってバレたら、やっかいよね・・・)



せっかく仲良くなれた丸山さんも、私をとっちめる側に回るだろうか?



〔★その前に、信じてもらえるか怪しい★〕