パトロール、1日目
最初にしたのは、巡回コースを覚えること。
会長さんの案内で、パトロールする道を一緒に歩く。
「商店街だけじゃないんですね?」
「がははは!あくまで、町全体だからな!」
「それをボランティアでするんですね・・・」
「会長、ここもルートでしたっけ?」
一緒に歩いていた瑞希お兄ちゃんが会長さんに聞く。
「前は、コースに入ってなかった気がしますけど?」
「気づいたか、サナちゃん?実はな、新しく追加したパトロールコースなんだ。」
「「追加?」」
声をそろえて聞き返せば、会長さんは渋い顔で言う。
「最近このあたりで痴漢が出てるんだよ。」
「「痴漢!?」」
再度、声をそろえて聞き返せば会長さんは言った。
「そう、痴漢なんだよ。だからサナちゃんさ、うちの孫のスカートをはいて歩いてくれないか?」
「はかねぇよっ!?」
〔★瑞希はスカートを断った★〕
「やっぱダメか!囮にしたかったんだがな~!がはっはっはっ!」
「普通にダメですよ、会長さん!いじわるはしないでください!」
「大丈夫だ。チョコちゃんには、はさせないから。」
「俺は良いのかよ!?」
「てことで、痴漢もだけど、ストーカー被害も出てるからパトロールしてんだよ。」
「俺の質問は無視か!?」
「警察には報告してるんですか、会長さん?」
「まったくだめだ!実際に被害にあってないと見回りを増やすしか手段はないらしい。」
「警察って、意外とつかいにくいんですね・・・」
「まったくだ!あいつらはストーカーを甘く見過ぎだぜ!」
元被害者である瑞希お兄ちゃんの言葉説得力がある。
〔★瑞希はレアケースだ★〕