指摘する私に、メガネの先輩が一言。



「なにを言う。凛道に何かあれば、金と知恵と権力を提供してやるという証拠だ。」

「獅子島さん、金と知恵はともかく、権力ってなんですか!?」

「知りたいか・・・!?」

「遠慮します。」



私の本能が、やめなさいとささやく。



〔★凛は安全を優先した★〕



「まぁ、お守りみたいなもんだよ、凛たん。俺らがいますってアピールだ。」

「いや、確かに、初代龍星軍の皆さんには庇護されてますが・・・」

「凛ちゃん、そんなにこのデザインがイヤ?文字はローマ字にしたから、ダサくはないと思うんだけどぉ~?」

「いえ、デザインがイヤというわけではなく~」

「じゃあ、着てごらん!はい、脱いで、脱いで!」

「じ、自分で着ますから!!」



脱がされそうになるのを、笑顔で食い止める。

着ていたシャツを脱いで、アンダーシャツの上から来ている。

ピッタリサイズだった。



「あらー似合うじゃない!一緒に『安全パトロール隊員』っていれてるから、おまわりさんに呼び止められてもつかまらないわ!」

「それはないと思います。」



(絶対、声かけられるよ。)



〔★職務質問はまぬがれない★〕



「おじさんが見たら、絶対見逃さないですよ・・・」

「じゃあ、上から半袖のジャケットを着ればいいわ!いざとなれば、ジャケットを脱いで背中を見せなさい!」

「僕は遠山の金さんですか!?」

「わはははは!いいじゃねぇか!金さんみたいに、遊び人の振りして事件解決して来いや!」

「素敵~花吹雪を見せてぇ~」

「ありませんよ!」

「瑞希、会長さんにいつから凛たんがOKだって?」

「あ~すっげーノリノリでな・・・明日には来てくれってよ。」

「そういうことだ凛道。サボらずに来いよ。」

「楽しみね、凛ちゃん!明日までに、いろいろ小物を仕上げるからね♪」

「これ以上デコるなモニカ!」

「あら、第一印象が大事でしょう、みーちゃん?」

「やれやれ、世話がかかる。」

「とかいって、嬉しいんじゃねぇーの?」

「わははははは!」



(なんというか、もう・・・)



私の意志を無視して、私の夏休みの予定が決まっていく。



〔★ラブチャンスが削減された★〕