烈司さん達の仕事は早かった。

すぐに会長さんに、私がパトロールに参加すると伝えてしまった。



「困りますよ!?」



瑞希お兄ちゃんと会う時間が減っちゃう!



「まぁ、夏の間だけだから我慢してくれ。」

「瑞希お兄ちゃん!?」



帰宅した愛しい人は、拗ねた顔で私をさとす。

烈司さんからの連絡で、パトロールの件を知った瑞希お兄ちゃん。



(あんなにダメって言ってたから、反対してくれるよね!?)



そんな期待はあっさり裏切られた。



「俺としても不本位だが・・・・俺の顔を立てると思って、少しだけパトロールしてくれねぇーか、凛?」

「ええ!?」



まさかの許可が出た。



「なぜですか!?」

「凛の側に誰かいた方が良いからだ。」



私の問いに、瑞希お兄ちゃんはあっさり答える。



「高千穂達は宿題で動けねぇし、俺らも最近忙しいから、側にいてやれない。」

「忙しいんですか?」

「ちょっとな。」



・・・・そういえば、MESSIAHの件は俺らが何とかするって瑞希お兄ちゃんは言ってたわね・・・・



(お兄ちゃんも、私の目をMESSIAHからそらすために、パトロールをしろというのね・・・)



なんとなく、相手の本音がわかって複雑な気持ちになる。



「お待たせ~」



そこへ、自室で作業していたモニカちゃんが戻ってくる。



「出来たわよぉ~」



その手には白のTシャツ。



「モニカちゃんお手製のパトロール用のお洋服よん!」



差し出されたのはかっこいアプリコットがついた服。

夜回り組はひらがな。



「あの・・・龍星軍のロゴが入ってるんですけど?」



ローマ字で龍星軍と刺繍されていた。



「そりゃそうよ~龍星軍用の普段着に夜回り組の文字を追加したんだもん。」

「普段着!?」

「あら、族は自分のチームを愛してるのよぉ~!普段着にもこうやって、プリントしてるのよ!」

「目立ちすぎませんか?」

「大丈夫!龍星軍は宣伝の意味もあるのよ!ほら、スポンサー広告とかあるじゃない。」

「スポンサー広告って、企業がしてることでしょう!?龍星軍は企業じゃないでしょう!?」



〔★非行組織だ★〕