呆れる思いで言えば、目をウルウルさせながらちーちゃんは言う。
「ダメ、リンリン?」
「ダメじゃないですけど・・・今度からは、ちゃんと事前に教えて下さい。『ほうれんそう』は大事ですよ?」
「何で野菜の話系~?」
「野菜じゃないです。僕が言ったのは、『ほうこく』・『れんらく』・『そうだん』と言う意味の『ほうれんそう』です。」
「リンリンパネェー!ガチ物知り!俺も、ほうれん草する系!」
「お願いしますね?」
「喜んで!じゃあ、でっぱろうかぁ~!?」
私のため息と、車のエンジン音が重なる。
車のことはよくわからないけど、オートマじゃないのね。
旧車とか言ってたから、昔の車・・・だよね?
内装はアンバランスな感じもするけど、すごくオシャレに感じる。
ちーちゃんもモニカちゃんみたいに、デザインのセンスがあるんじゃないかな?
「リンリン、乗り心地はどう!?」
「え、ええ。快適ですよ。」
エアコンの風で車内は涼しい。
においもすごく良い香りがしてリラックスできた。
流れている音楽も、リズム感が良いので、聞いているとだんだん楽しくなってくる。
(いやいや!楽しくなってどうするの!?)
のんびりしかけて我に返る。
(なんのためちーちゃんと会ってるの!?MESSIAHの件でしょう!?)
本題を思い出したところで、運転している友達に話しをふった。
「ちーちゃん、電話で話した件ですが・・・」
「ごめんね、リンリン。」
ハンドルを握りながら彼は謝る。
「ジオンに聞いたらさ、MESSIAH(メシア)の黒木が悪さしてるみたいなんだよね。」
「え?MESSIAHのメンバーと知り合いなんですか?」
「俺が頭だった時のパシリ的な馬鹿な格下半グレ系。この辺りでJKビジネスしてる的な話は聞いてたけど~バラさんと遊んでるとは思ってなかった的な~」
「JKビジネス?」
「女子高生ビジネス、略してJK♪」
「なんですか、それ?」
「現役女子高生と散歩したり、ご飯食べたり、おしゃべりしたりするお仕事のこと~!」
「それは仕事と言えないでしょう!?」
〔★ただの日常の動作だ★〕