ちーちゃんは、車で来ていた。



「乗って、リンリン!」

「この車って・・・」

「そう、ちーちゃんの愛車♪よろしくねー!」



彼が紹介してくれた車は、JAGUARの頭だった時にちーちゃんが乗っていたもの。

あの時はまさか、こうやって助手席に座ることになるとは思いもしなかった。

ちーちゃんがキーレスをかざせば、ロックが解除される。

それでドアが、上へとスライディングした。



「自動で開いた!」

「ウェイウェイウェイ!キーレスつけてるからね~俺ぐらいじゃねぇ?ここまでカスタマイズしちゃってるの!」

「ちーちゃんの車って、ドアが上に開くタイプなんですが?」

「ううん!俺好みに改造した系!ちなみに、このドアのことは『シザーズドア』っていうんだよぉ~上に開くドアだけでも、いろいろ種類があるからね~!」



私の質問に、ドヤ顔で説明するちーちゃん。



「ホントは~ドアはランボルギーニみたいなのが良くて、ボディはトランザムみたいなのが良いから、迷ったんだけどぉ~カスタマイズすればいいっかと思って、トランザムにした系!」

「ランボルギーニ?トランザム??」

「ランボルギーニってゆーのは、イタリア自動車メーカーでトラクター王のランボルギーニさんが作った加速スピード鬼ヤバの高級スポーツカーだよ♪1台で、数千万円するから学生がゲットするのは厳しい的な~」

「ホント高いですね!?よく作りましてね?」

「にゃははは!それがさぁ~マジウケるるんだよ!トラクターで大儲けして、金持ってたランボルギーニが、フェラーリの車買って乗り回してたの!もち、顧客になってた系~!」

「フェラーリって、あの高級車の!?」

「ピンポーン♪で、ランボルギーニがフェラーリのフェラーリを買って乗っていたんだけど~ヤベェぐらい何度も何度も壊れて~その度に何度も何度もフェラーリに修理に出すけど直らない的な!」

「それ、ちゃんと直してなかったんじゃないですか?あるいは、乗り方が悪かったか・・・」



リコール問題や乱暴な運転をしている人を思い浮かべながら聞けば、うんうんとうなずきながらちーちゃんも言う。