ちーちゃんに呼ばれた男は、背筋を伸ばしながら答える。
「なんでしょう、長政さん。」
「ジオン、お前らは大原会長が来るまで、クソガキとホームレスのおっさんを見張ってろ! 怪我させても構わねぇーから、ガキ共は絶対に逃がすなよ?」
「わかりました。」
「じゃあ俺らは、行こうか、リンリン。」
「え!?怪我人を置いて行くんですか?」
「ジオン達残すし、会長はすぐ来る系だし~!大事な話は早い方が良いっしょ?」
「・・・そうですが。」
私を見るジオン君の目が痛い。
居たたまれなくなったので、被害者へと話題をふる。
「お兄さん、大丈夫ですか?」
「あ・・・ああ。」
やっと、声を聞かせてくれた。
それにホッとしながら言った。
「これから来る人は良い人なので、安心して信じて下さいね。」
「リンリン、行こうよ!」
会話を邪魔するちーちゃん。
「引っ張らないでください。あの、JAGUARの方々も、後をよろしくお願いします。」
「よろぴこー!」
これに彼らは頭を下げる。
その姿を見て、なんとなく、ちーちゃんに対してだけ頭を下げたのだとわかった。
だって・・・
(私とまったく、目を合わせようとしない。)
この現実を見て、瑞希お兄ちゃんの言葉を思い出す。
―態度ですぐわかると思うぞ。―
おっしゃる通りでしたよ、瑞希お兄ちゃん。
嫌われているのだと、思い知らされる。
〔★わかりやすかった★〕
何も知らないらしいちーちゃんが、私にくっついてくる。
「行こう、リンリン♪」
「ええ・・・」
「ウェイウェイウェイ!リンリンと、ツーショットデートでテンションアゲアゲ♪」
「デートじゃないですよ!?」
「にゃははは!照れてる系~?」
笑顔のちーちゃんに対して、JAGUARメンバーはしかめっ面。
背後から向けられる彼らからの視線が、刺すようにとても痛かった。
〔★気まずさMAXだ★〕