「そっか!さすが、リンリン!会長なら、性根を叩きなおしてくれるね!?」

「そういうところです。あ、ちーちゃん!その際は、僕がパトロール中に胸糞悪いガキ共の悪行を見つけて止めたということにして下さいね。」

「それはけど、被害者が怪我してるなら、警察呼んで病院に運んでもらった方がよくない?。」

「それはほら・・・保険の関係もあるので、警察経由で病院に行くより、支援団体のつてが多い会長さんに助けてもらった方が良いですよ。治療だけしてもらうよりも、治療後の生活の相談もできますし。」

「そっかぁ!さすがリンリン~!」

納得するちーちゃんを見てホッとする。

よかった・・・警察なんかに通報されたら、事情聴取されちゃう。

そうなったら、私の身元を追及されてしまう。

バレるのは困るもんね。



〔★究極の自衛手段だ★〕



ギュッと私に抱き付きながらちーちゃんは得意げに言う。



「ヘイヘイ!お兄さん、運がいいぞー!リンリンは最強のパトロール隊員的な!」

「あ・・・」



ちーちゃんの言葉に、頭を固まったまま私を見るホームレスの人。



「なんか言えよ!感じ悪い系~」

「やめてください、ちーちゃん。まだ、暴行のショックがあるんですよ。」

「ウェイウェイウェイ!じゃあ、会長にTELするねー」



プーと頬をふくらますと、スマホを出して電話し始めるちーちゃん。




「チッ!」




その時、小さな舌打ちがした。



え?



聞えた方向を見れば、少年を捕まえている人の1人と目があう。



(あれ?この人・・・)



見たことがある・・・



(そうだ・・・ちーちゃんがJAGUARだった時に側にいた・・・名前は確か・・・)



「ジオン!」



(そう、ジオンだ!)



ちーちゃんの声と、私の記憶の中の名前が一致する。

同時に、JAGUARを引き継いだのが彼だとも思いだす。



〔★JAGUARの新しい頭だ★〕