「放してください!」

「見逃してくださいよ!」

「勘弁してくださいよぉ~!」

「助けて下さーい!」


「黙れ。」

「ちーちゃん。」



少年達の訴えに、笑顔のままギャルオが言った。



「ホームレス狩りしてるだけでも胸糞悪いのに、龍星軍の総長にケンカ売る奴は見逃せねぇな。」

「し、知らなかったんです!」

「てか、一方的にやられたし!」

「俺達一般人だし、こんなに怪我してるんすよ!?」

「もう十分じゃないですか!?」


「うるせぇ!!決めるのは俺なんだよっ!!」

「「「「ひっ!?」」」」



大声で怒鳴って、うるさい悪ガキ達を黙らせるちーちゃん。



〔★JAGUARモードになっていた★〕



「ムカつくんだよ!どうせ、見た目で判断してケンカ売りやがったくせによ~いっちょ前に命乞いしてんじゃねぇーぞ!」



半泣きになるガキを鼻で笑うと、私へと視線を戻しながらちーちゃんは言う。



「リンリン、通報はした?」

「これからです。」

「待って!警察だけはやめて下さい!」



そのやり取りを聞き、少年達が泣きだす。



「警察から家に連絡が行ったら困ります!」

「二度としないから、それだけはやめて下さい!」

「うち、すごく厳しいんですよ!」

「親に怒られる!」

「はーはっはっ!!怒られればぁ~!?」



少年達の必死の訴えを、思いっきり小馬鹿にする口調で断るちーちゃん。



「リンチしといて、寝言ぬかすな。」



楽しそうに笑いながら言うと、鼻歌を歌いながら携帯を取り出す。



「あ、待って、ちーちゃん!警察は待って下さい!」

「え?まさかリンリン、クズ共を見逃すの?」



私の言葉に少年達がホッとし、ちーちゃんが不満そうにする。



「誤解しないでください。警察に突き出しても、親がかばうか、謝罪のポーズしかしませんよ。それよりも、いいところがあるじゃないですか?」

「えっ?どこ?」

「会長さんのところです。」

「「「「か、会長!?」」」」



ハモる少年達のリアクションを見て思う。



(どんな会長を想像をしているのかな・・・)



〔★町内会長とは思っていないだろう★〕