「しっかりしてください。立てますか?」
ちょっと臭うし、服が汚いけど、そんなことを言ってる場合じゃなかった。
「痛かったでしょう?手を貸しますので、病院へ行きましょう。案内しますから。」
無表情に近い顔をこわばらせながら、ジッと私を見るホームレスさん。
「僕はあなたを傷つけません。どうか信じて下さい。」
落ち着かせようと、笑顔で対応する。
そうやって、少年達に背を向けた時だった。
「逃げろ!」
「え!?」
少年達が、悪ガキ共が逃げだした。
「待ちなさい!!」
許す気も、気が好きもなかったので、急いで捕まえようと体を反転させる。
(しまった!)
まずいことに、少年達はひと塊ではなく、バラバラで逃げ始めた。
(まとまって逃げてくれればいいものを―――――――無駄に悪知恵は働くみたいね!?)
「逃がしませんよ!治療代払えお前ら!」
全員捕まらなくても、誰か1人は捕まえないと!
治療費払わせなきゃ!
そんな思いで追いかけようとしたら―――――
「ウェイウェイウェイ!治療代払えってところがイカす~!」
「え?」
背後から陽気な声がした。
私が振り返ったのと、少年達の悲鳴が響いたのは同時だった。
「ぎゃああああ!」
「放して!」
「助けて!」
「怖いよ!」
「悪ガキゲッチュー♪ここ、レアポケモン以外も出るんだねー?」
「ちーちゃん!?」
楽しそうに言ったのは、待ち合わせをしていた友達だった。
〔★ちーちゃんが現れた★〕
「ちょ、いつの間に背後に回り込んだんですか!?てか、あの人達は誰です?」
ちーちゃんに驚いたが、少年達を取り押さえている男達にもびっくりした。
「JAGUARの奴らだよ~♪」
「JAGUARの!?」
「オラ、大人しくしろ!」
「手間かけさせるな・・・!」
「逃げんなボケ!」
「オマエ、殺されたいカ・・・!?」
4人の男が、悪ガキを1人ずつ取り押さえていた。
彼らは、引きずったり、つまみ上げた状態で少年達を連れて戻ってきた。