「そうそう、ネイルも力作なのよ~見て見て♪」
「って、モニカちゃん、前!前!」
「「「「お前は前を見てろ、モニカ!!」」」」
「わはははは!人身事故にすんなよぉ~!」
左右に揺れる車に、私達は声を上げる。
すぐに笑い声に変わったけどね。
笑い声がやんだところで、隣に座っている人が言った。
「烈司さんも頑張ったぜ?はい、凛たんに新しいアクセサリー♪」
「え!?」
驚く私の手首に、ブレスレットをつけてくれた烈司さん。
「わあ~キレイな石!前のブレスレットとは違いますね?」
「まあな。前回、忍者が壊しやがったからな~バージョンアップしておいた♪」
「何が違うんですか?」
「浮遊霊を追い払う効果が入ってる。」
「怖いんですけど!?」
(私、幽霊がついてるの!?)
〔★トラブルはついて回ってる★〕
「はははは!凛たん、五十嵐とつるんでるからな~」
「だったら、ヤマトにこそ、お守りをあげて下さいよ!」
「いや~そこは愛情の温度差じゃん?」
「公平にお願いしますよ!」
「心配しなくても、あいつは幽霊を追い払う力があるから、平気平気♪そうじゃなきゃ、あんな物件で生きていけねぇよ。」
「そこは暮らしていけないじゃないですか?」
〔★ひっかかる物言いだ★〕
「どいつもこいつも過保護ばかりだ。凛道、自分の身は自分で守れよ。」
私達のやり取りを着ていた助手席の獅子島さんが、いつもの調子で注意してくる。
「念のため、催涙スプレーを渡しておく。」
「あ・・・すみません。」
「万が一を考え、携帯の予備の電池も渡しておく。」
「あ、ありがとうございます。」
「誘拐対策として、現金とテレホンカードも渡しておく。公衆電話なら、赤いボタンを仰せば金がなくても警察は来る。」
「え!?お金って!?いくらなんでも、それは悪――――」
「悪いことがあっては困る。スタンガンも持っておけ。」
「えっ!?ですから・・・」
「持っておけ。」
「・・・はい。」
有無を言わさぬ親切を、素直に受け入れる。
怒りつつも、いろいろくれたんだけど・・・いいのかな?
〔★伊織が一番甘い★〕