夏休み最後の祭りがはじまる。
「凛、モニカ、準備できたか?」
「ま、まだです瑞希お兄ちゃん!」
「みーちゃん、あせらさないでよ!」
みな様、こんにちは。
僕は凛道蓮!
龍星軍の四代目総長であります。
「早くしないと、花火に間に合わないぞ?」
「はあーい!」
本日僕は、好きな人をふくめたみんなで、今年最後の花火大会に行きます。
「凛ちゃん、レギンスは可愛いからいいけど・・・この暑いのに、アンダーシャツまで着るの?」
そう言って、両手に浴衣を抱えてやってくるのが、朝霧モニカさん。
Tシャツとスパッツというラフな軽装ですが、これでも元ヤンで伝説の暴走族初代龍星軍の遊撃隊長です。
見た目、俳優でも通用するぐらいハンサムですが、実はオネェさんです。
引退後、ファッション関係の学校に通いながら、ネットショップをしていたりと、おしゃれにうるさいため~
「モニカちゃん、僕は、さっきのでいいと思いますよ~」
「凛ちゃんさっき着た時、その前に着たのでいいって言ったじゃない!テキトー言っちゃダメよ!」
私の着替えにも時間をかけます。
着せ替え人形になって、一時間経ちそうです。
〔★妥協は許されなかった★〕
用意された服の前で、身動きがとれないでいたら、部屋の戸をノックされた。
コンコン。
「おーい、早くしないと、伊織が噴火するぞ?」
「だれが火山だ、馬鹿者。」
「わははは!」
「って、着替え中!入ってこないでよん!」
私とモニカちゃんのやり取りを遮断するのは3人の良い(?)男。
部屋の戸を少し開きながら顔をのぞかせ、モニカちゃんに怒られているのが宗方烈司さんと獅子島伊織さんと百鬼皇助さんだった。
「あ、烈司さん着替えたんですね?」
「そーよ!似合うだろう、凛たん?」
着流しをまとったヘビーがスモーカー笑いかけるのは烈司さん。
甘いマスクの男前だけど、モニカちゃんと同じチームの元ヤン。
かつての初代親衛隊で、すご腕の占い師として働いてます。
今も昔もタバコが手放せません。
〔★着流し烈司が現れた★〕