「はい」 そう言って小さく頭を下げた人は、私がいま、あの日からずっと、会いたいと思ってる人だった。 ……名前、“トジョウ”っていうんだ。 どの高校を受けるかって話してるくらいだから、きっと私と同じ中3だろう。 高校なんて行けなければそれで良い、と思っていたけど、いま変わった。 連絡先を聞く勇気がなくても、トジョウさんから見た私なんて、赤の他人でも。