なんだかもう本当に恥ずかしかった。 「どうも」 そう言ってメモを受け取った戸生さんは、小さく頭を下げてまた歩き出してしまって。 背が高くてすらっとした戸生さんは、後ろ姿までも美しかった。 ──半年前にも同じようなことがあったなんて、戸生さんはきっと、覚えていないだろう。