「戸籍の“戸”に、生きものの“生”」


「おおっ、なにそれめっちゃかっけえ」


──“トジョウ”さんが、“戸生”さんになった。

どうも、と言って席に戻る戸生さんは、たしかに私が会いたいと思っていた“トジョウ”さんで。


きっと…というか絶対に、戸生さんは私のことなんて記憶にないだろうけど、そんなことどうでもよかった。


また会えて、戸生さんに少しだけ近づけた気がして、なんだかもう……泣きそうになった。